彦根城は2007年に築城400年を迎えました。日本の国宝四城の一つに数えられている彦根城は石垣・白壁の、日本のお城らしい気高く、美しい姿です。
江戸時代、徳川家康の命によって20年近くの歳月をかけて完成した彦根城は、広大なお堀に囲まれています。お堀は屋形船が出ていて、約30分で一周することができます。お堀の石垣は大変立派で美しく、迫力があり、改修の時代に応じて様々な石積みの技法が見られのも特徴です。実は彦根城は周囲の多くの廃城から移築されて作られたリサイクル(?)のお城で、言い換えれば壊してしまうには忍びない、当時のお城の素晴らしい遺産を受け継いだお城なのです。
明治時代になって多くのお城が廃城となった時には、天皇が巡幸で彦根を通過された際に保存のご意向を示され、破却を免れたと言います。
彦根城内の見所としては、国宝の天守閣をはじめ、日本地図を作った井伊直弼が青春時代を過ごしたと言われる「埋木舎(うもれぎのや)」、観光のシンボルとして植えられえたソメイヨシノをはじめとする8種類の桜の木1300本を見ながらの散策など、1日楽しんでいただけます。また、近江八景を模してつくられた「玄宮園」は、かなり手入れが行き届いた美しい庭園ですので、広大な彦根城を見て歩いた後にゆっくりと時間を過ごされるのもオススメです。
彦根城の中心にそびえる天守は、400年前の築城当時から残る現存する天守で、全国に12基残る現存天守の中でも特に重要なものとして国宝指定を受けています。
天守は3階建て3重の屋根で構成され、屋根は「切妻破風(きりづまはふ)」「入母屋破風(いりおもやはふ)」「唐破風(からはふ)」という造形を、2階と3階には「花頭窓(かとうまど) 」、3階には高こう欄らん付きの「廻縁(まわりえん)」をなど、工夫を凝らし、変化に富んだ美しい姿をしています。
また、重要文化財となっている「天秤櫓(てんびんやぐら)」も有名です。天秤櫓は左と右とで屋根の向きが90度違い、石垣の積み方も建造当時の「野面積み(自然石を使い、大きな石と石の間に小さな石を埋め込む積み方)」と、江戸後期に修理された「落とし積み(石と石の接合面を加工して積み上げる)」があります。「落とし積み」がはっきりと残る石垣は全国でも珍しいもので、天秤櫓を通る際は、石垣にも着目してみてください。
重要文化財はまだまだあります。西の丸三重櫓(にしのまるさんじゅうやぐら)は、10m以上の高い石垣の上に絶壁のようにそそり立ち、2階からは琵琶湖を臨めます。天守のように飾ってはありませんが、櫓全体を漆喰で塗り固めた上品な美しいものになっています。
彦根城と言えば、ひこにゃんを探す方も多いのではないでしょうか。ひこにゃんは彦根城築城400年祭のキャラクターで、築城をした井伊家の赤いカブトをかぶった猫です。(猫なんです。)
何故猫かと言いますと、ある雷雨の日に彦根藩二代藩主井伊直孝公を手招きして災害から救った招き猫をモデルにしているそうです。
彦根市街ではお店や看板など、あちこちでひこにゃんのキャラクターを見かけることがありますが、ひこにゃんは常に彦根城に居るわけではありませんので、スケジュールについてはひこにゃん公式サイトでご確認ください。