日吉大社の歴史は古く、古事記に登場しているのが初見です。西本宮と東本宮を中心に400,000m²の境内を持つ大きな神社で、昔は境内108社・境外108社と多くの社を持っていました。
西の大国主神(おおくにぬしのかみ)、東の大山咋神(おおやまくいのかみ)を本宮とし、現在はこの二社を合わせて山王二十一社と総称されています。
古事記に記されていた大山咋神とは、大山に杭を打つ神、すなわち大きな山の所有者の神を意味し「大山咋神(おおやまくいのかみ)の家族および生活を導く神々」として信仰されていました。
日吉大社の参道には、比叡山延暦寺から隠居された僧侶が住まい、風情のある街並みは、穴太衆積み((あのうづみ:自然石を上手に積み上げる安土・桃山時代の技法)と呼ばれる石垣が有名です。
こうした日吉大社周辺、坂本の町並みは地域性がとても良く表れているとして、重要伝統的建造物群保存地区として選定されているほか、歴史的風土保存区域にも指定され、季節を問わず多くの人々で賑わっています。
山王総本宮 日吉大社では、毎年大切なお祭りが行われています。
桜の美しい4月には、1300年以上の歴史をもつ山王祭があります。このお祭りは大津三大祭に数えられ、3月1日から4月中旬ごろまで続く五穀豊穣を祈るお祭りです。
琵琶湖が賑わう7月には、みたらし祭りが行われます。茅の輪くぐりから始まり、知らないうちに体についた罪やけがれを祓い、健やかな心身で1年を過ごせるようお祈りします。
そして11月には坂本の門前町を含んだもみじ祭り。3000本以上の燃えるような紅葉の街並みがライトアップされ、まさに「錦秋」の言葉がふさわしい華やかな秋を彩ります
坂本の門前町では、比叡山延暦寺に訪れる貴人・賓客へのおもてなしとして、又、比叡山で断食の行を終えた修行僧たちが、弱った胃を慣らす為、山の上まで蕎麦運んでいたと言われています。
現在は蕎麦の老舗が立ち並び「坂本の蕎麦」として全国的に有名になりました。